先日、電車に揺られながらふとある吊り広告に目がいきました。「これで世界でもしゃべりまくれるわ」というセリフと共に大御所お笑い芸人の満面の笑み😆が躍る吊り広告です。74言語対応の”夢の通訳機”だそうです。すごいですね!
そしてタイミング良く同業の友人からは”色々な音声翻訳器を使い比べてみた”という報告が!結論的にはそれぞれピンキリだけどかなり性能がいい物もあるとの事でした。話しかけ方にコツが要りそうですが😅(そのコツについては後ほどじっくり)
こんな便利な物が普及したら外国語を勉強する人がいなくなって商売あがったりやん💨と一瞬心配になりましたが、はてさて待てよ。やはり芸人さんがまくしたてる会話がそのまま翻訳出来るかどうかには??疑問符⁇が付きます。
私たち日本語ネイティブが普段何気なく話す日本語は実はかなり複雑な構造になっていたり、主語や動作主が省略されていたり、もっと言えば文型そのものに感謝や迷惑な気持ちが含まれていたりします。
例えば「ロンドンで、このお菓子売ってる店を探してたら、親切な人がわざわざそのお店まで連れて行ってくれたの!だけど、帰りに雨に降られて私もお菓子もびしょ濡れになっちゃった!」という会話の情報を音声翻訳器に通訳してもらうには まずこの会話をシンプルな日本語に分解しないといけません。上記のたった2つのセンテンスは実は次の8つの要素を含んでいます。
「私はロンドンで店をさがしていました」「その店はこのお菓子を売っています」「とても親切な人が私をその店に連れて行きました」「(私はとても感謝しています。)」「でも、帰り道、雨が降りました。」「(私は困りました。)」「私もお菓子も濡れました。」「(がっかりしました。)」とまぁ、こんな感じでしょうか。
「雨に降られる」などの受け身表現や、「~てしまう(~ちゃう)」は使用する事によって”話者の迷惑な気持ち”や”残念な気持ち”を表す事があります。それとは逆に「~てくれる、~てもらう」などの授受表現には話者の感謝の気持ちが含まれます。日本語学習者が使いこなすのが難しいと感じる項目の代表格です。
音声翻訳器がそういった気持ちの部分まで伝えてくれるのか わかりませんが、そういう部分は前述のようにはっきり言葉にするか、または言葉以外で表情とか声色とかジェスチャーでカバーする必要があるでしょう。
とにかく、まずは文章を短くシンプルに分解する事、そして主語や動作主、感情を明確にすることが翻訳器や外国人に理解されやすいポイントですね。(お笑い芸人さんの弾丸トークの面白さは半減してしまいそうですけれど 笑)
ところで、そこまで日本語をわかりやすく分解したのなら、せっかくなので音声翻訳器に頼らずご自分で英語にしてみません⁇