こんにちは。英語学習に役立つ情報を日本語教師の視点から毎月お届けしています🍁
リンゴ インスティテュートは英会話スクールであると同時に日本語スクールでもあります。外国の方々に日本語を教えていると”ああ、これって日本語的な用法で、英語だったらこんな言い方しないよなぁ”と感じる事が多々あります。
裏を返すと日本人が英語を話す際に、日本語的な表現をそのまま英訳しても、英語話者には意図が伝わっていないかもしれません。
例えば、上級の日本語学習者でも苦労するポイントの一つが日本語の”自動詞”の多用です。自動詞を使った文とは、”火が消える”など動作主は特定されず、また目的語を必要としません。一方で他動詞を使った文はというと、”彼は火を消した “のように動作主である”彼”や、”火を “という目的語がはっきり示されています。
実は日本語には この消える/消すの他にも上がる/上げる 開く/開ける 落ちる/落とすなど自動詞/他動詞のペアがたくさんあり、日本語学習者にとっては覚えるのが一苦労です💦
英語にももちろん自動詞と他動詞の区別がありますが、自動詞を使う機会は自然現象や人や動物の自然な行動、活動を表現する場合などに限られており、それ以外の多くの場合では他動詞が使われる事がほとんどなのです。
ですから日本語学習者にとっては”なんでこんなにたくさん自動詞を覚えなきゃならないの😓”と不満が出るのもわかるのですが、普段日本人は気づかぬうちにたくさん自動詞を使っているので、自然な日本語を話そうとすると どうしても自動詞の出番があるのです。
例えば
「会議で決まりました」
「コップが割れました」
「シャツが汚れました」
それぞれ自動詞が使われていますが、どの文も結果がフォーカスされ、”誰がその行動をしたのか”は曖昧になっています。これらを他動詞を使って書き換えてみますと、
「会議(の参加者)が(このルールを)決めました」
「(私が)コップを 割りました」
「(彼が)シャツを 汚しました」
のように”誰が”という動作主と”何を”という対象をはっきりさせないと文章が成り立ちません。
日本語では責任の所在を曖昧にしたい時などに良く自動詞を使います。私もよく自分で”壊した”(他動詞)くせに「これ”壊れ”(自動詞)ちゃった!」などと言って責任逃れをしたりします。。。だって、そういう文化なんだもん😅と文化のせいにしたりして…
ただ、英語を話す時には気をつけなければなりません。自動詞は他動詞に置き換えて、主語と目的語をはっきりさせた方が伝わりやすいです。上記の例文などでは責任の所在を明確にする必要がありそうですね… それも文化ですから。(汗)
皆さんも英語でコミュニケーションする際は「そうだ、”他動詞”思考だったよな」と思い出してください。英語を話すという事はただ日本語をそのまま英訳するのではなく、”マインドセットも変える”必要があるようですね🍁