「自分が大切にしているもののために闘いなさい。でも他の人があなたにそれに賛同するような闘い方をするのです」
こんにちは、英会話と日本語レッスンのリンゴインスティテュートです🍎 前述の言葉は、アメリカに実在したスーパーヒーロー“RBG”の言葉です。え?RBGってどんなゲームのキャラクターかって?いえいえ実は私が尊敬する人物の頭文字を取ったものなのです。その人物とは先頃(現地時間9月18日)亡くなったアメリカ最高裁判所判事ルース・ベイダー・ギンズバーグ女史です。
ちなみに、3つのイニシャルだけで知られている著名人と言えば、JFK(ジョン•フィッツジェラルド•ケネディ)、FDR(フランクリン・デラノ•ルーズベルト)、LBJ(リンドン・ベインズ•ジョンソン)、MLK(マーティン・ルーサー・キング・ジュニア)ですが、彼等に続き、その仲間入りしたのがRBG(ルース・ベイダー•キングスバーグ)なのです。
法と道徳の先導者として長年社会に貢献してきた彼女のファンは多く、Tシャツやマグカップなどのイラストにも起用され、今やアメリカのポップアイコンにもなっています。
外国の1最高裁判事である彼女の事など全く知らなかった私ですが、彼女が亡くなるとすぐにアメリカに住む友人達や世界中のセレブリティ等が一斉に生前彼女が残した言葉をSNSに上げ、キングスバーグ氏の死を悼んでいました。
いくつかご紹介しましょう。
「本当の変化、永遠に残る変化は一歩一歩実現へと近づくものです」
「人生ではしばしば、障害だと思っていたことが素晴らしい幸運になるものです」
「『最高裁判所に何人の女性判事がいれば十分か』と聞かれることがあります。私が『9人』と答えるとみんながショックを受けます。でも9人の判事が全員男性だったときは、誰もそれに疑問を抱かなかったのです」
「フェミニズムをシンプルに言い表せば、マーロ・トーマスの歌『Free to be…You and Me(あなたも私も、何にでもなれる)』だと思います。女の子も自由に医者や弁護士になれる。なりたいものになれるのです。人にものを教えたり、子どもの世話をしたりするのが好きな男の子がいても構わない。人形が欲しいと思ってもいい。人間が作った壁に阻まれることなく、みんなが自分の才能を自由に伸ばすべき。それがフェミニズムなのです」
これらを読んでいるうちに私も彼女に興味を持ち、キングスバーグ氏を題材にした2018年公開の映画 ”ビリーブ 未来への大逆転”を観てみました。実在の”スーパーヒーロー”の誕生実話(オリジン•ストーリー)を実の甥が脚本化したものだそうで、見応えのある作品でした。
映画『ビリーブ 未来への大逆転』公式サイト
50年前、女性がロースクールに進学する事がまだ珍しく、キャンパスに女子トイレすらなかった時代に、勉学と子育て、ガンの診断を受けた夫の看病のすべてをこなしながら優秀な成績で法学位を取得したRBG。しかし女性であること、小さな子供がいる事を理由に弁護士として法律事務所で雇っては貰えませんでした。
それでも彼女は大学のロースクールで教員として学生たちを教えながらアメリカ人権協会の法廷闘争を数多く手掛け、性差別を初めとする様々な人権問題に取り組みます。気が遠くなりそうな数の憲法違反案件を丁寧に一件ずつ。一歩一歩。(その最初の突破口となった裁判が映画ビリーブで紹介されています。)
一生涯、女性のため、立場の弱い人のため、社会のために闘い続けたRBG。しかし彼女の闘い方は冒頭の言葉の通り”皆の共感を得るようなやり方”であり、フェミニズム活動家にありがちなヒステリックなものではありませんでした。そんな控えめな態度でありながらも信念に基づく力強い言葉は、これからも世界中の人々に勇気と希望を与えてくれる事でしょう。
ありがとう、RBG。RIP…